令和5年9月から令和6年8月までに当院で診断した乳癌195例。
1年間で195例、すなわち”1年間で約200人の乳癌を診断しています”
皆さんにお伝えするべきこと。
乳がん検診、すなわちマンモグラフィについて。
マンモを受ける科学的理由は”マンモを受けると乳がんによる死亡率が下がるから(死亡率減少効果があるから)”です。
そう、マンモグラフィは乳癌で死ぬ可能性を減らすことができる極めて重要で素晴らしい検査です。
このこと知ってましたか?
加古川市民は知らない方がとても多くて、”マンモなんか受けるもんちゃうで!(標準語で言うと”マンモグラフィは受けるものではない”)”って思い込んでいる人が大多数の街、それが加古川。
そんな加古川市の人々が知っておくべきこと、それが”マンモグラフィの死亡率減少効果”です。
マンモグラフィを受けることで乳癌で死ぬ可能性を減らすことができるのです。
マンモグラフィの死亡率減少効果について複数の論文が出ていますが、大まかにまとめると。
• 隔年(2年毎)の検診マンモグラフィで乳がん死亡率は25〜 30%低下。
• 毎年の検診マンモグラフィで乳がん死亡率は40〜50%低下。
あなたならどちらを選びますか? 2年毎ですか? 毎年ですか?
70%死んでも良いと思うなら2年毎の検診マンモを受け続けて下さい。それでも受ける価値はあります。
そう、科学的に言えば ”マンモを全く受けない人=乳癌死を無自覚のまま受け入れちゃっている無邪気な人=江戸時代の人々” が大多数の街、それが加古川市です(無自覚なので自分が現代社会において科学的に自殺志願者と定義されていることさえも気づいていません)。
さらに言えばあなたはSNS等で垂れ流されている ”マンモは放射線被曝するから受けてはダメ” とか ”マンモを受けると乳癌になるから、そのことに気づいてほしい” 等の ”許し難いデマ=あなたが乳癌で死ぬ可能性を高めるデマ(すなわちニセ情報)” を本気で信じている教養のない情報弱者ですか?
そんな”許し難いデマ”を信じて検診マンモを受けていなかった人が乳房のしこりに自分で気づいて慌てて来院し、針生検を受けて乳癌と診断され乳癌の告知を受けた途端に”私、死ぬんですか! 早く病院紹介してください! 早く治療してください!”と取り乱す。
これ、この街では良くあります。
先ほどまで”乳がんなんか他人事で私には関係ありませんけど〜、マンモなんか受けてませんでしたけど〜、それが何か? 問題あります〜?”って感じの発言を続けヘラヘラと笑っていたのに、、、、、乳癌と言われた途端に顔色が変わり大人気なく取り乱す、その豹変ぶりはまるでテレビドラマを見ているかのようです。
乳癌の告知を受けたその瞬間、自分の死を意識した瞬間、取り乱すのです。
”マンモを受けてはダメだなんていうデマ”を信じていた自分が馬鹿だったと理解することもできず、ただ混乱し大人気なく取り乱すのです。そこに後悔や反省は存在しません。なぜならば無知で無邪気で無教養で無責任な人々だからです。”マンモを受けるべきだった”と言う正しい再認識をすることもできない人々です。
なので、この取り乱しているタイミングで ”なんで乳癌検診受けていなかったんですか? マンモ受けていなかったんですか?” と聞くことはタブーです。そんな質問をしたら”マンモなんか受けないのが当たり前なのに、なんでマンモを受けてなかったのだって責められている、批判されている”と強烈な反発を受けます。
そこには”マンモなんか受けないのが当たり前なのに”と言う”致命的な思い込み・勘違い・風土病”が加古川には根強く存在しているのです。
逆にちゃんとコツコツとマンモグラフィ・乳房エコーを受け続けておられる”一般常識のある人々”は小さな乳癌で見つかって乳癌の告知を受けても取り乱すことなく、冷静に判断され、これまで通りするべきこと(=適切な診断と治療)を淡々と受けておられます。
話を戻して、
詳細は以下に記載しますが、他の街の乳腺クリニックは予約が数ヶ月先まで取れないのが当たり前ですが、当院では1年間で約200人の乳癌を診断しているのに(当院は開業後7年目になるのに)、土曜日以外であれば数日以内に外来予約が取れます。
ゆあさ乳腺クリニックの乳癌の診断件数は他の乳腺クリニックを圧倒するほど多いのに外来予約が取りやすい。これはすなわち、この加古川市・稲美町・播磨町・高砂市の乳がん検診に対する意識の低さ、”マンモグラフィは受けてはいけないというデマ・嘘”が定着しており、乳がん検診を受ける方がたったの約14%しかいない恐ろしい地域だからです。定期的に検査を受ける方がありえないほどに少なく、自分で大きなしこり=乳癌に気付いてからやっと検査を受けに来る方が当院で乳癌と診断される方のうち71%もいるからです。そして、自分が巨大な乳がんになってから初めて検査を受けに来て”これまで乳がん検診を受けていなかったことを反省する”こともないのです。なぜならば”乳がん検診は受けないのが当たり前”の街だからです。そんな当たり前がいかに危険かを自覚することもできないまま無知で無邪気な高齢者になるのです。そう、この街は進行乳癌だらけなのです。
当院で令和5年9月から令和6年8月までに当院で診断した乳癌195例の詳細です。
非検診発見139例、検診発見56例。 腋窩リンパ節転移あり:非検診発見57例(41%)、検診発見11例(19%)。 非検診発見(自分で異常に気がついて検査を受けられて乳がんと診断された方)が139名(71%)もいて、そのうち57名(41%)の方がリンパ節に転移していました。
また、検診発見とは言っても”検診の間隔”が長くなれば長くなるほどその結果として進行がんで見つかる方が増えます。5年前にマンモグラフィを受けたっきりですとか、、、今回50歳で初めて乳がん検診受けましたとか、、、そんな方は検診発見でもリンパ節転移した状態で見つかる確率が高くなります。
常識ではありますが、”乳がんは予防ができません”。
乳がんで死なないためには早期発見早期治療が最も重要です。そのためにはコツコツとマンモグラフィ・乳房エコーを定期的にお受けになることが最も有用です。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
最後に質問です。
あなたはそれでもマンモ等の検査を受けようとは思わない ”無知で無教養で無邪気な情報リタラシーの低い人々” ですか?
それともここまでの記載を読み ”定期的に検査を受ける必要性” を理解できた ”一般常識・教養のある方” ですか?
マンモは痛いからとか放射線被曝するから受けちゃダメだと言われたとか、そんな科学的に合理性を欠く不適切な理由でマンモグラフィを受けない人=無知で無教養な間接的な自殺志願者です。
残酷な言い方になりますが、乳癌で死ぬのは”あなた”です。
そこに救いの手を差し伸べ続けているのがゆあさ乳腺クリニックです。
”乳癌で死んでほしくない”
ただ、そのために今日も乳癌を診断し続けています。