【マンモグラフィ検診と加古川市、播磨町、稲美町の乳がん検診事業の真実についてお伝えすべきことがあります】

 ① 2年毎のマンモグラフィ検診の効果は”乳がん死亡リスクを25-30%低下させる”ことである。すなわち、7割の方は2年毎のマンモを真面目に受けていても亡くなってしまうのです。すなわち、2年毎のマンモグラフィ検診では”大丈夫=全ての乳癌が早期発見できて死ぬことはない”ではないのです。


 ② 乳房エコーを併用することによってマンモでは写りにくい10mm未満の小さな乳がんを発見することができる。マンモとエコーはお互いに補い合う関係です。マンモは微細石灰化や構築の乱れで乳がんを早期発見することができます。エコーは小さな腫瘤影、不自然な低エコー域の発見に優れています。マンモで異常なしでもエコーで早期癌を発見できることがあるのです。マンモだけ受けて異常なしと言われて安心するなんておめでたい人だなと私は考えています。姫路では毎年、マンモとエコーをお受けになっている方が沢山います。


 ③ 40歳無料検診マンモを受けて安心してそれ以降、乳がん検診をお受けにならない、お受けになれない方が加古川には多数おられます。大きな乳がんになってからご自分でやっと気がつき、数年ぶりに検査をお受けになる方が非常に多く、その結果、加古川は進行乳がんだらけの街になっています。マンモ、エコーは定期的に継続してお受けになることが重要なのです。40歳より上の年齢の方が加古川の住民検診マンモを受けようとすると現状では加古川総合保健センター(ウェルネージ)でしか受けられません。しかし、ウェルネージは検査能力が極めて限られており、平時で年間約4700件(本年度は1700件)しか住民検診マンモを実施できません(対象となる女性の人口は9万人で2年に1回の検診を全員が受けられるためにはそのうち半分の4.5万件の検診マンモを提供する必要がある)。検診をお受けになれずに放置してしまいご自分で大きなしこりに気がついてから当院を受診し進行乳がんであることが分かった方が多数おられます。


 ④ 他の自治体では住民検診マンモ全ての対象者の方が(加古川のように40歳の方だけではなく)複数の医療機関(クリニックや病院)で受けることが出来ます。神戸では約35箇所、姫路では約15箇所からご自分で自由に選択し検診マンモを受けに行けるのです。それが当然なのです。しかし、加古川市ではウェルネージが独占しており、このコロナ禍の影響でウェルネージが検診事業を縮小し、検診マンモの件数が激減しています。今年の加古川市の住民検診マンモの件数は前年比3割以下まで減少しています。姫路では複数の医療機関が感染予防に工夫をこらし検診件数が減らないように努力した結果、検診マンモは平時と同等の件数をこなすことが出来ています。すなわち、加古川市では乳がんの発見が1年、2年と遅れることになり、これまで以上に進行乳がんだらけの街になっていくのです。防げる死を防ごうともせず無為に過去10年をやり過ごしてきた加古川市の行政の無策に誰も気がつきもしない。これが加古川市の深い闇なのです。


 ⑤ ご提案と解決策。毎年、マンモとエコーをお受けになることを強くお勧めします。母親、姉妹、祖母、叔母等、ご家族に乳がんの方がおられるなど乳がんのハイリスクの方は半年毎のエコーと1年毎のマンモをお受けになることお勧めします。そのために人間ドックや住民検診(加古川市の住民検診マンモグラフィは酷い状況で頼りになりませんが)を十分にご活用ください。また、違和感やしこり等の異常を感じている方は当院で保険診療で検査(マンモグラフィ+乳房エコー)を実施することが可能ですので、日本の優れた国民皆保険制度を存分に活用し、ご自分の命、ご家族の未来を守る努力をしてください。そして毎月、自己検診を行い不安なことがあれば速やかに検査をお受けください。


 この世に乳がんで死んでも良い女性など一人もいません。


 乳がんで死んで欲しくない。定期的にマンモ、エコーを受けて欲しい。そして乳がんになっても早期発見し治癒してほしい。乳がんになってもちゃんとした検査を受け治療を受け、生きていてほしい。強く美しく生きていてほしい。それがゆあさ乳腺クリニックの願いです。


ゆあさ乳腺クリニック
院長 湯淺壮司